ても我慢がーー
さ、幸不幸の綾を存分に堪能したので、宿屋へ向かいます。と言っても浜省的に言えば僅か数百メトー。ダテハコは観光客パラダイスなんでしょう。まあ土地勘が無いとそれでも景色は変わるもので、
このような風情のジンギスカン屋を発見。外側に向けて大音量でブラックミュージックを流している。それに抗うように真ん中の広場でワカモノ達が握れマイクロフォーン!とディスり合戦を、奥まった路地のフィリッピンパブのお姉さんがオニーサンオニーサンと手招きしてくる三竦みの状況。たって腹減ってるんだからジンギスカンに入店。
ジンギスカンはまあそれなりにうまかったけど、内藤陽子似の店主が特筆のレベルで無愛想。ワタスは羊肉の事だけ考えて店を後にした。ジャッキーブラウンのサントラとかの曲も流していたから話は合うかもだが、どうにも面倒くさそうでワタスは話かけなかった。
悪い人ではなさそうでしたけどね。
朝。
クロアチアを密かに応援していたワタスは割と茫然とした顔で宿を後に。分かっちゃいたけど悔しかったり。昨晩はララバイ内藤陽子の所為で酒も大して呑めなかった仇討ちとばかりに、
巨大つぶ貝で晴らす。ホントにつぶ貝なのか⁇と訝しく食べましたが、美味かったら実際何貝だろうと何の文句もありません。時刻表でお昼過ぎまでは、何もありつけないと分かってたので念願の塩ラーメンをずるり。
何だろう。宮崎あおいがCMやってるシーチキン食堂に近いイキフン。店主はオッチャンやったけど、抒情的にココは良かったです。
森駅。何気に絶景。単なる電車待ちでイカめし買ってウハウハなだけのワタスでもさすがに気がつきました。もうちょっと海が入れば誠にイイ写真なんですけどね。
丁度お昼に長万部。さて負債を取り返すか。
僻地のドライヴイン的な佇まいでしたが、まあ何と、食うもの食うもの旨い事!しかも手にとったメニューも変わってる。
これは是非!と書かれたものもあれば、ざるそばは普通ですとか、白湯麺は美味しいですけど、どうお薦めしていいのか分からないです、とか一歩間違ったら面倒くさい記述がワタスには何だか誠実に思われて、シューマイもカニ飯もより堪能出来た気がします。かなやサンのメニュー、是非読んでみて下さい。
まあ…後はぼんやりして帰りましたが、一つだけ。室蘭も長万部も、なんだったら函館さえも流行ってる所はごくわずかですね。概ねシャッターな町並みが残念ながら其処此処と見受けられました。随分昔のニュースで夕張市が経営破綻したとかってありましたがそんな色合い。実際ワタスの住んでる町にしたって確実に老いてってます。地方都市はアド街ック天国な東京みたくは回ってないのだなと。
それでも、ワタスの様な無責任な旅行者がフラフラする事も微力ながらは、地域の活力になるのではとは思いますよ。そう。若干暗いトーンになったのは競馬に負けたからや、それはワタスの所為ではない、旅に出よです。
かまく浪を乗り越えて
旅先の高揚感、そしてワタスがヂヂイなのが相まって早朝4時ぐらいに起床。北海道では大スポが手に入らないので競馬エイトで渋々お勉強です。電算処理能力はなはだ落ちるも何とかメイン以外の予想をやっつける。
時計の針は6時に。は腹が減った。と松重氏よろしく函館朝市へ。市場は活気がある。おばちゃんおっちゃんが、ぐいぐい話しかけてくる。海鮮丼の店ざっと二、三十軒はあろうか。群雄割拠の戦乱の世、遠慮は死とでもいった有様だったが、
ワタスは恵比寿屋のキャンペーン丼とかいういかにもな名称に心惹かれる。うんうんご飯もケチってないエライぞ。
でもって競馬場に市電で向かう。
駅から競馬場が近い!近過ぎる!小倉はモノレールでドアトゥドアだったが、こういうのお召列車のようで気分は頗るよろしいですな。そう気分は良かったのだ!!!
だって入場口ほど近くのパドックはワタスの知る限りどの競馬場よりも馬に目線が近い。
喫煙室なんつうのは昨今罪人でも閉じ込めておけばよいぐらいの造りが多い中、4角過ぎの絶景がここに!サイコーじゃないか!?
おっと名物のもつ煮を忘れちゃいけない。
濃すぎず大根人参が優しいお味。きっと井川遥が炊いてくれたに違いない、ハイボールも呑もう!といった塩梅でワタスは確かに男のレジヤー道のど真ん中に立っていた!
酔生夢死、の言葉をかみしめつつ
るばる来たぜ鮭茶漬
漫然と函館に行こうと思ってたものの仕事周辺がバタバタと定まらず、いざ宿だ飛行機だとを押さえたのが出立一週間前の話。全くツイてました。いつもいつも~バタバタしてしまう性分で御座います。
まあ…そんな無精者でも旅っつうのはいいもんです。見知らぬ土地で見知らぬ人に触れ、旨いモノを食い酒を呑む。それは日常であり非日常。飛行機や列車の待ち時間に文庫本を読む、車窓の外に目をやる、といった事は煩雑な普段の暮らしの中にあっても勿論出来る事ではあるけれど、吸う空気が違えば気分が違うし浮き足立ちます。
今回、函館競馬場を目指しての旅だった訳ですが、先ず月曜日が祝日だという事が大きかった。例えば今まで新潟や小倉だと最終12Rをやるべきか。どうしたって帰り支度な脳になります。だから今回心置きなくその日の時間を使い果たせるというのは非常に贅沢でありました。
なので競馬以外の二日間は在来線に揺られようと心定め、14時半に新千歳に着いたワタスは函館に向け南千歳へ。途中下車の目的地は室蘭でした。たしかにサッポロ一番は偉大なり!ですが、味噌塩醤油トンコツ以外のご当地ラーメンを食す為にワタスはこの地に降り立ちました。
味の大王!!!!!
ワタスが店主なら酔うた勢いでも無理過ぎるネーミングです。アレキサンダー、カメハメハ、キン肉真弓以外には形容されない称号。
胸が昂まる…
と言っても味の大王さんを知ったのは、エースコックとの企画麺で。カレースープにワカメか!の驚きから。ほか弁ではカレーに味噌汁を、松屋のカレーに味噌汁(これはもれなく無料で付いてきます)なワタスの人生は間違ってなかった!の嬉しさ。絶対ココにいくと密やかなる決心があったのです。
原理原則にしたがってスープ。スパイシーに頼らない良いカレー味。普遍性とは頼り甲斐。で麺。麺の味が凄え!!小麦ってこんな味するのか!!!かつて行った極太つけ麺有名店でも思わなかった熟成ちぢれ麺の風味よ。叉焼も異常に旨いし、もやしも何かしら本島とは違う感じすら漂ってきます。なにしろ昭和四十年代な味を堪能です。
そんなこんなで店を出て、一路函館。ったって2時間半からの道中。。。
分かっちゃいたけどフランク長い。
ここで取り出す、玉袋筋太郎著「粋な男たち」。機上で読破済やけど、これはホント名著。玉ちゃん、苦労してんな…でも羨ましい人生やで。相方はあんな事に(割愛)
と思ってたら案外あっさり目的地へ。
やはり御大がお出迎えです。夜に函館入り、これで正解やったんかもな。麺の後なのでナイトキャップぐらいで堪忍しとくか、のイカワサビの辛味が沁みる北の夜でありました。はい